Web集客のプロが宿経営に挑戦!開業1年でミシュランを獲得できたワケ【インタビュー】

石垣ヒルズ®オーナー髙橋大介さん(左)
石垣島に移住し、短期間で数々の実績を上げたオーナー
絶景を望む丘に佇む2棟のヴィラ、石垣ヒルズ®は2024年に続き2025年もミシュランホテルに選出されています。稼働率はなんと年間平均80%以上(夏季は95%以上)。しかも、開業後たった1年での快挙というから驚きです。輝かしい実績をスピーディーに出せた理由は何だったのでしょうか。オーナーであり、株式会社DTAC代表の髙橋大介さんにインタビューしました。

ミシュランホテルに選出された石垣ヒルズ®
テクノロジーとホスピタリティの両輪で走る
100億を動かすWebビジネスで感じた違和感
東京で約20年あまり、Web広告分野で営業やマーケティングに従事。そのうち14年間は、外資系企業でIT業界の最前線を走ってきました。大都会で精力的に活躍していた髙橋さんが、自然あふれる石垣島で宿を経営することになったきっかけを伺いました。
髙橋「テクノロジーやイノベーションといった言葉と共に、世界とやりとりをすることにやりがいを感じていました。でも、ある日ふと、それはどこまで人の価値に貢献できているのかなと考えまして。
100億という売り上げが、どのように社会貢献できているのかなとか。いわば実体のないものに対して少し疑問を感じたタイミングで、石垣島で宿をつくりたいという思いが湧いてきました。」

プレゼンテーションをする髙橋さん
そこで着手したのが、7716(なないろ)という、石垣島の白保地区にある1棟貸しのヴィラです(現在は株式会社DTACが委託運営)。
きっかけは、一緒にプロジェクトをやっていた方からの「石垣島が熱い!」という言葉。後にプライベートで石垣島にスキューバダイビングに訪れる機会があり、すっかり島に魅了された髙橋さんは驚きの行動に出ます。
髙橋「ダイビングの帰りに、たまたま良い土地を紹介してもらい、即決しました。それから宿を建てようとすぐに行動に移しましたが、実際にやってみると、やることが結構たくさんありましたね。当時はまだ東京にいたので。」
人生を変える場所づくりをすることへの喜び
持ち前の行動力と決断力とともに進めた宿の準備。開業前後のお気持ちについてもお話しいただきました。
髙橋「図面を描いてみたり、内装を考えてみたりといったことが、すごく楽しかったっていうのもあって。
コロナが始まった月に宿がオープンしたので大変でしたが、お客様からレビューやお手紙、部屋に置いてあるノートへのメッセージなどをたくさんいただき、やっぱりうれしいなと。
コロナが始まった月に宿がオープンしたので大変でしたが、お客様からレビューやお手紙、部屋に置いてあるノートへのメッセージなどをたくさんいただき、やっぱりうれしいなと。
そこに、楽天トラベルアワードで2年連続で評価されるという喜びも加わりました。そうした経験が今の石垣ヒルズ®の運営につながっています。」
さらに髙橋さんの心を大きく動かす体験がありました。夜、見回りで訪問したお庭で、プロポーズをしたのではと思われる、幸せそうに語り合うカップルの姿を偶然目にしたのです。
髙橋「人様の人生を変えるような場所づくりができたかもしれないと思ったときに、”価値の最上流”という言葉が浮かび、喜びが湧いてきました。自分はリアルを大事にしたい、笑顔が生まれる体験の場を提供していきたいと思った瞬間でした。」
人手不足はWebで解決!これまでのキャリアを活かして
東京にいる間、7716の運営は他社にまかせていましたが、オーナーとしては宿経営での課題も見えていました。
髙橋「人件費のコストが高まると利益が残りづらいですよね。そもそも人手を確保することも難しかったので。その課題に対して、自分が経験してきたWebを軸に、無人化、省力化、といったものに挑戦してみることにしました。
人がいなくても素晴らしい滞在体験ができるとか。おもてなしの心とともに、かつて来たことがあるかのように感じていただける、入念な情報発信や室内準備とか。
7716の室内
お客様とのコミュニケーションにおける具体的な施策
即座にお客様の要望に応える!
7716に続いて、2024年に石垣ヒルズ®をオープンさせ、軌道に乗せた髙橋さん。Web業界でのビジネス習慣が宿の運営にも活きているといいます。
髙橋「Webの運用型広告とかでよく言うPDCA(『Plan(計画)』『Do(実行)』『Check(評価)』『Action(改善)』)ですね。宿の場合は高速でPDCAサイクルを回す必要があります。基本的に、課題やトラブルが発生したり、細かい補修が必要な箇所が見つかったときには、その場か、その日中に解決しなければなりません。
もちろん、その日のうちに解決できないものもあるのですが、解決まで至らなくても、何か目処を立たせるところまでしっかりやる、ということは意識しています。
例えば、先日石垣ヒルズ®に宿泊したあるゲストから、小さいお子さんがいて、2階のロフトに行く階段を上にトコトコトコと登ってしまうから危ないというお話をいただいて。すぐに赤ちゃん用の柵を購入し準備をしました。」

石垣ヒルズ®Open Sky Villa2階ロフトから見るキッチン&ダイニング

石垣ヒルズ®Open Sky Villa2階ロフトから見るキッチン&ダイニング
集客のカギは「目立って、見つけてもらうこと」
どんなに魅力的な宿にしたとしても、宿泊するゲストがいなければ意味がありません。髙橋さんの得意分野でもあるWeb集客についてもお話しいただきました。
髙橋「やはり、OTA(旅行予約サイト)で、しっかり目立ってアピールして、集客をすることで売上は上がります。だからまずは、予約サイト1つではなく複数、それもできるだけ多くのサイトに載せることが基本です。
これができたら次は、連泊してもらう仕組みづくりや、自社サイトからの予約につなげる施策で利益率を上げていくという段階に入ります。」
こうした石垣ヒルズ®の成功ストーリーは、他の宿でも再現が可能。実際に髙橋さんがサポートに入っている宿では実績を出しているといいます。
無人の宿だからこそ大切にしたいお客様とのやりとり
石垣ヒルズ®が自社サイトとともに活用しているのが、LINE公式アカウントです。友だち追加し、事前チェックインを済ませると、宿泊日までに宿の紹介などがシナリオとして自動で届く仕組みになっています。

LINEの画面イメージ
髙橋「LINEを使っていただくことで、事前に期待値を高めることもできます。初めて行く場所は、やはり勝手がわからないと思うんです。LINEで宿のことを少しずつ知っていただけるようにしています。
宿の扉を開けた瞬間、あたかも来たことがあるかのような錯覚を持って、自分の家のように過ごせる気分をつくることにも一役買っています。身近に感じられるコミュニケーションがとれるのも重要なポイントです。」
自動配信だけではなく、個別にゲストとメッセージのやり取りをすることで、可能な限り即座の対応と気配りを実現しています。
そんな石垣ヒルズ®のホスピタリティは、Googleのクチコミ4.9(2025年10月時点)という高評価からも見て取ることができます。
宿泊施設の運営を通じて伝えるサステナブルな戦い方
石垣ヒルズ®とともに幸せの輪を広げる
Webとホスピタリティを組み合わせて宿の運用・経営で着実に成果を上げている髙橋さんに今後の展望について尋ねてみました。髙橋「まず、会社をもっと大きくしたいという気持ちが純粋にあります。働いている仲間と励まし合って、社内でも、価値観や世界観を広げていきたいです。石垣ヒルズのテーマに『家族や子どもの世界観を広げる』と掲げています。私は48歳ですが、自分の価値観や世界観というのは何歳になっても広げられると思っているんです。
充実した人生を送るために、自分も含めみんなでいい経験をし、積み上げていくことが、さらにゲストや周囲を喜ばせる原動力になっていくのかなと考えていますね。まずは、そういうことが問題なくできるぐらいの規模にしたい、というのは強く思います。」
すべてシェアしたい! 失敗から学んだノウハウを武器に!
すべてシェアしたい! 失敗から学んだノウハウを武器に!
髙橋さんが代表を務める株式会社DTACでは、自社運営の宿だけではなく、Web集客サポートを中心に、行政へ申請や許認可等の初期の立ち上げ支援、清掃やゲスト対応など宿の運営をまるごとサポートするサービスも行っています。
髙橋「自社物件や管理物件が増えれば増えるほど、ノウハウはどんどん溜まっていくわけです。それを活用して、宿のオーナー様が困っている課題を解決し、貢献していきたいです。
失敗していることとか、『なんでこんなに利益率が低いんだ』とか、さまざまな課題をリアルに感じている私たちだからこそ、できるサポートがあります。
自社で物件を持って本気で運用して成果を出しているからこそ、そのノウハウを多くの方に提供したいと考えています。みなさんと手を携えながら、喜びの輪を広げていきたいですね。」

Outodoor Villaには卓球台も

Outodoor Villaには卓球台も
本当に地域・石垣島のためになることを
「ノウハウを自分で独占して、自分たちだけが勝てばいいとは全く思っていないです。」と話す髙橋さんにその理由を尋ねてみました。
髙橋「前職でアジア担当をしていたときの経験が大きいですね。この石垣島の中で、見えている範囲ぐらいは競合でもなんでもなくて、観光客をみんなで呼んで、みんなで潤い、分かち合うべき人たちなわけで。
石垣と実際に競合するエリアは、宮古かもしれないし、台北もそうだし。ベトナムのニャチャンとかダノンとかホーチミンもそうかもしれないし、バリ島やプーケットなど様々あります。競合エリアはやはりたくさんあるので、そういうところと、広い目線で戦っていくにはどうしたらいいか考えていくのが大事ですよね。
要はサステナブルな、継続して子どもたちにも伝えられる戦い方をしたいと常々思っています。狭いエリアで牽制し合うようなことは、将来のためにもならないですし。
要はサステナブルな、継続して子どもたちにも伝えられる戦い方をしたいと常々思っています。狭いエリアで牽制し合うようなことは、将来のためにもならないですし。
良い成果が出たものをみなさんとシェアし、島の未来に貢献していきたいんです。石垣に来年1.2倍のお客様が来るようになれば、その20%をさらにみんなで分け合えるわけじゃないですか。」
離島から狼煙を上げる!地方の魅力を発信していきたい
ご家族とともに石垣に移住し、島の方々にお世話になっているので、まずは地元に貢献したいという髙橋さん。
髙橋「我々は石垣ヒルズの実績を一年半経ってきちんと数字で出しました。『意気込みだけではなく実績もあります!』と自信を持って言える証明ができました。本気でサポートできる、みなさんの課題に向き合えるという段階になってきたので、今からそれを石垣島でやっていきたいです。」
さらに、その後に思い描く将来像についてもお話ししてくださいました。
髙橋「今はこの石垣、八重山エリア、沖縄を中心にしていますが、それぞれの地方の魅力を日本全国に伝えるようなこともしてみたいです。それらを通して、多くの方にとっての旅を豊かにできればと思うので、まずは離島からその狼煙を上げていけるといいなと思っています。」
記事:小林ゆき
■お問い合わせ先■株式会社DTAC沖縄県石垣市大川206 プルミエビル2F(DTAC 石垣ユーグレナモール支店)
Mail: ishigaki_hills@dtac.tokyo
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